介護福祉士実務者研修の取得は通学と通信どっちが良い?
福祉系大学や介護福祉士養成学校を卒業することなく、実務経験を経てから介護福祉士国家試験を受験しようとする際、平成29年1月実施の試験から、介護福祉士実務者研修の修了が義務づけられることになりました。この資格は、介護職員初任者研修の上位資格として位置づけられ、取得する際により高度な医療的ケアの知識、技術を身に付けられる他、取得することで訪問介護事業所に必置とされるサービス提供責任者の職に就くことができます。
介護福祉士実務者研修を修了するための方法は、学校に通いながら修了をめざす通学コースと、自宅学習を中心とした通信コースがあります。なお、通信コースでもスクーリング授業が必修になっているため注意が必要です。
保有する資格により異なる受講時間数、費用
介護福祉士実務者研修では、保有する資格によって免除される科目があり、修了までの受講時間数が異なります。無資格で受講する人は全ての科目(全450時間)と喀痰吸引、経管栄養などの医療的ケアを学ぶ講義、演習(16時間以上)を受講する必要があります。介護職員初任者研修の修了者およびホームヘルパー2級の資格取得者は、130時間分の科目が免除されます。また、ホームヘルパー1級の資格者は355時間、介護職員基礎研修の修了者は400時間に相当する科目が免除されます。受講時間が少ないほど受講科目数が少なく、費用も安く抑えることができます。
また、各地で開催されている喀痰吸引研修を受講している人は、さらに科目免除の対象となる場合があります。対象となる研修については、受講申し込み時に確認するようにしましょう。
通学による学習と通信による学習……それぞれのメリットについて
通学コース最大の魅力は、現場経験豊富な講師陣に直接指導を受けながら学習を進めることができる点でしょう。テキストに記載されていない経験談や最新情報を入手する機会も多く、より知識を深めることができます。 一方、通信コースは添削指導を受けながら、時間を気にせず自分のペースで学習を進めることができる良さがあります。仕事や家事、育児との両立も可能です。
通学による学習と通信による学習……それぞれのデメリットについて
通学コースの場合、受講日に合わせて自身のスケジュールを調整しなければなりません。また、通信コースに比べ費用が割り増しになる傾向があります。学費の他に通学にかかる交通費も必要です。 通信コースは、一人でモチベーションを維持しながら学習を進める上で、徹底した自己管理能力が求められます。学習時間を自由に設定できるため、つい自分に甘くなってしまうこともあるでしょう。実際、受講途中で学習を止めてしまう方も少なくありません。
働きながら修了をめざす方、子育てをしながら修了をめざす方、修得に専念できる方、いろんな方がいらっしゃるかと思いますが、通信講座、通学講座それぞれのメリット、デメリットをよく把握し、自分の学習スタイルに合う方法を選択するようにしましょう。